『インターステラー』～宇宙越しの愛が地球を救う～
『インターステラー』（2014 米）
 |
|
【あらすじ】
ひどい砂嵐で年々食糧危機の影が忍び寄る地球。元エンジニアのクーパーは娘マーフの部屋で起きるポルターガイスト現象に導かれ、秘密裏に活動するNASAにたどり着き、そこで昔の仕事仲間ブランド博士と再会します。NASAでは人類滅亡を免れるために惑星を探索し、人類が生存できる星への移住、もしくは生存できる星への人類の種を定着させるという計画が遂行されていました。惑星探索へと旅立った先行チーム、マン博士ら3名から入植可能な惑星へ降り立ったという信号を受け取っていたブランド博士はクーパーの腕を買い、探索救助チームに加わるよう依頼します。
地球滅亡の危機から子供たちを守る為、宇宙へと旅立つことを決意するクーパーですが、帰省できるかもわからないミッションに10歳の娘マーフは反対します。和解することもできないまま「必ず帰る」とだけ伝えたクーパーは宇宙船に乗り込み地球を離れるのでした。
科学的要素が難しくて、途中で置いてきぼりを食うキンヨーです。
スター・ウォーズに慣れ過ぎて、宇宙空間での無音映像が流れたときに「宇宙は無音」ということを思い出した、今日この頃です。実際の科学者たちの協力のもと作られているだけあって、科学考証や理論に基づいて制作された宇宙も計算式もとてもリアル。ブラックホールの画は自分のイメージとは違っていて「へぇ～」となったり、面白いです。
以下、ネタバレを含んでいますのでご注意ください。
さて、物語には主人公の苦悩がつきもの。クーパーにとっての苦悩は地球に残してきた大切な家族。早く任務を終えて加速のもとへ帰りたいという想いに反して、時間は無情にも経過してしまいます。重力の影響で惑星での１時間は地球での7年に値してしまうのです。子どもたちは成長し、地球上の酸素が失われるタイムリミットも迫っていることから、クーパーは早急にミッションを終わらせようと息巻きます。
それに対して、ブランド博士の娘、アメリアはあくまでも科学的根拠を得て理論的な判断をしようとします。（早く帰りたいという思いが溢れ出ているため、クーパーが自分のことしか考えていないように思えますが、あくまでも任務を完了させて早急に帰ろうとしているので、言っていることはほぼほぼ理論に基づいた正論……）
そんなクーパーとアメリアですが、物語の中盤、行き先の惑星を選ぶ際に、マン博士がいる惑星が有力にもかかわらず、もう一つの、別の隊員がいる惑星を推します。そして涙を流しながらこんなことを言います。
「私たちは理論に縛られすぎていた。だって愛は人間が発明したものじゃない。愛は観察可能な力よ」
マン博士とは別の惑星から信号を出していたのは、アメリアと恋仲の隊員だったのです。それまでの科学的根拠、理論的根拠はかなぐり捨てて、恋人のいる星へ行きたいと訴えるアメリア。恋人を想う「愛」に根拠があり、自分を導いている、と。それまでの任務遂行をめざす理論的な判断よりも、「愛」からの直感で判断を優先しようとする彼女に、クーパーが冷静に咎めます。
ここまできて「愛」に判断をゆだねるの！？ とも思いつつ、純粋な心情を吐き出すアメリアの姿がとても印象的です。「家族への愛」がクーパーにとって行動の原力になっていることを思えば、アメリアの言う通り「愛」が重要なのは間違いありません。
基盤に明確な「愛」があるからこそ、単なるハラハラドキドキのSF映画とは一線を画す感動作として記憶に残るんですね。
ともあれ、理系はさっぱりなキンヨーですが、雰囲気でぼんやり物語の輪郭をつかんでいるレベルでも純粋に楽しめました。が、科学・物理が分かればもっと面白そう……。
誰か、キンヨーに高校レベルから教えてください……！
【映画のおとも】
魅惑の惑星ガナッシュ
 |
価格:2,980円 |
惑星をモチーフにしたボンボンショコラです。ひとつひとつに個性があり、特徴を楽しめるショコラです。見た目の美しさは勿論、舌にのせ、じんわりと溶け出したショコラから香るほのかなアルコールが映画鑑賞をさらに至福な時間にしてくれます。
ロゼスパークリングワインが並んだら最高です！
