『ターミナル』　~空港に閉じ込めれれた男～

『ターミナル』（2004年　米)

【あらすじ】

クラコウジア人のビクターはアメリカのジョン・F・ケネディ国際空港の入国ゲートで手続きをしますが、足止めを食らってしまいます。運悪く、ビクターがNY行きの飛行機に乗った直後に彼の母国クラコウジアではクーデターが起こり、クラコウジア政府は消滅してしまっていたのでした。パスポートは無効状態、入国ビザも取り消され、ビクターはアメリカにも母国にも行けず国際線乗り換えロビーから出られなくなってしまいます。国境警備局のディクソンは自身の昇進にビクターの存在が邪魔になると考え、あの手、この手で空港から自分の管轄外である外へと追い出そうとしますが、まじめなビクターは不法侵入となることを拒み、正式に入国できるまで乗り換えロビーで待ち続けるのでした。

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　日本版のポスターや予告動画では悲壮感たっぷりな仕上がりですが、実際はドラマ＋コメディ＋ロマンスです。

　トム・ハンクス演じる田舎臭いビクターは英語は片言、お人よし、不器用そうな様子。「一体どうやって生きていくんだ…ビクター」って始めは観ている側がハラハラ。そもそも、普通なら絶望的な状況に打ち負かされそうなのですが、目的のために必ずNYへ行く、という意志の強さでビクターは何か月も空港で待ち続けます。英語を勉強し、さまざまな発想でお金を稼ぐ方法を思いつき、監視していた警備局職員たちを感心させたり。また、ひょんなことから建築の腕を買われてしっかり賃金をもらったり、親しみやすさや誠実さで空港の職員や働く人たちに認められたり。美人なCAとのロマンスもありで、結構充実した日々を過ごしています(笑)。

　日本版ポスターでは目に涙をためたビクターが窓越しからNYを見つめ、キャッチコピーには「彼は空港で待ち続けた。約束を果たすために…」とあります。もちろん、間違っていませんが、そんなに悲壮感を前面には出していませんので、気楽に手に取ってもらいたい作品です。

　設定が設定なだけにリアリティに欠けるところもありますし、結末に不満を感じる方もいますが、あくまで映画ですので、キンヨー的にはおすすめです。

　なにより、理不尽で絶望的な状況をまっすぐに受け止めて打破しようとする姿は見習わなければいけないな、と思わされる作品でした（たまにぶっ飛びすぎる部分もありますが……）。

【映画のおとも】

　空港のラウンジ気分を味わうのに、スパークリングワインとブルーチーズ入りクラッカーなんてどうでしょう？　旅経つ前に手軽に食べられるクラッカーですが、この「ブルーチーズクラッカー　ペッパー」はそのまま食べても十分美味しい！　ブルーチーズと聞くとクセがあって食べにくい感じがしますが、ほんのり香りがするくらいなので逆にいいアクセントです。もちろん、生ハムやクリームチーズをのせてもOK。

さっぱりとしたスパークリングワインと一緒に、映画を観ながらつまむのに最高です！