『月の輝く夜に』~月夜の大人ラブコメディー~
『月の輝く夜に』(1987年 米)
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〈あらすじ〉
冬のニューヨーク。夫を亡くし、愛してもいない冴えない男ジョニーからプロポーズされたロレッタは、気乗りしないまま再婚を決めます。危篤の母親に結婚の報告をしにシチリアへ向かうジョニーは旅経つ際に、疎遠となっていた弟のロニーを結婚式に招待しておいてほしいとロレッタに頼みます。
しぶしぶロニーのいるパン屋を訪れると、ロニーは義手の手を見せて、この手は兄ジョニーのせいだとロレッタに喰ってかかります。ロニーとの口論から勢いのまま、ロレッタはロニーと一夜を共にしてしまいます。罪の深さに頭を抱えるロレッタをよそに、ロニーはロレッタに夢中になってしまいます。
ここからは少々ネタバレですのでご注意!
一緒にデートでオペラを観てくれたら諦める、とロニーに懇願され承諾したロレッタ。教会へ懺悔するも、心ここにあらず。美容室へ行き、新しい服や靴を買い、口紅を塗り、デートに胸を躍らせます。夫を亡くし、ジョニーとのデートでも化粧っ気のなかったロレッタが、見違えるように変身します。
見違えるように美しくなったロレッタに、ロニーはますます好意を持ちます。ロレッタもタキシードを着たロニーに惚れ惚れ。二人はデートを楽しみます。
帰り道、ロニーは一度きりのデートの約束を破り、ロレッタに愛を伝えます。しかし、ロレッタは拒みます。
「人は破滅を経験して、自分の人生を守る方法を学ぶのよ。あなたを好きでも関係ないわ」
このセリフ、地味にささります笑
酸いも甘いも味わったからこそ、「今」だけの気持ちでは動けないもので、歳をとればとるほど長い目で人生を見通す癖がついてしまいます。
愛のない妥協した婚約であっても、婚約してしまった今、ロニーを愛して破滅に続く人生を歩むことはできない、というロレッタの心情。平凡でも幸せな人生を考えた時、「今」の感情だけでうかつに行動はできないものです。
さてさて、ロレッタから拒まれたロニーですが、それでも諦めません。不完全な自分たちは「愛」をもって破滅に向かい人生を終わらせるのだと、ロマンティックに、情熱的に愛を貫こうと訴えます。
「妥協した平穏な人生」と「破滅の愛」。どちらがいいのかは当事者の決めることなので、どっちがいいなんて決めつけはしませんが、年代によって意見が異なるのかな…?
10代20代の頃のような勢いや情熱がくすぶり始めたと思った時に、ちょっと観てもらいたい作品です。人生ってこんなもの、って思い始めた時がちょうど観頃です(笑)。
と、ここまでいろいろと書いてみましたが、若かりしニコラスケイジのほどよくムキムキの上腕二頭筋とすらっとした姿が見られる作品なので、ぜひ観てもらいたい作品です。
【映画のおとも】
マム コルドン ルージュ ブリュット
マム コルドン ルージュ ブリュット 750ml 並行 シャンパン シャンパーニュ フランス 価格:3,630円 |
さてさて、この映画にはお酒を飲む場面がちらほら。
気になるのはシャンパンンに角砂糖を入れて飲むシーン。グラスに注いだシャンパンの中に角砂糖を一つ、ぽんっと入れるとしゅわ~と一気に泡が立ちあがります。作品の中では一瞬の出来事ですが、グラスの中に広がる泡の華やかさもあって、印象に残ります。
飲んでいたのはおそく「マム コルドン ルージュ ブリュット」。さわやかな酸味とフルーティーなアロマの辛口シャンパーニュです。映画『カサブランカ』の有名な場面、「君の瞳に乾杯」に登場しています。
そのままでも勿論、映画のように角砂糖をひとつ、シャンパンに落として気分を味わってみても楽しそうです。