家と映画の金曜日

金曜日の夜、家でくつろいで観たい映画と作品に合うお酒や食べ物を好き勝手に紹介します。

『まぼろしの市街戦』 ~愛すべき狂人たちの珍騒動~

まぼろしの市街戦』

 

まぼろしの市街戦≪4Kデジタル修復版≫ [ アラン・ベイツ ]

 

 張りぼての舞台や一目で分かる人形、あからさまな場面移動。CG技術もなく、カメラも今ほど有能ではなかった時代の映画は、古臭いのに逆に斬新でキンヨーは意外と好きです。最近のことには4Kデジタル修復で映像が奇麗になって甦る作品も多々あります。と、いうわけで今回は少し古い作品を紹介。 

 1966年のフランス映画『まぼろしの市街戦』。オカルトチックな奇作ですが、惹きつけられる作品です。

 

【あらすじ】

 第一次世界対戦末期。フランスの小さな町を占領していたドイツ軍は時限爆弾を仕掛けて町を立ち去り、町の住民たちも避難してしまいます。そこへ敵対するイギリス軍の伝書鳩係・プランピックは軍の命令で爆弾を解除するために潜入しますが、町には精神病院から抜け出した患者たちやサーカス団の動物たちが繰り出し、現実離れしたユートピアのような町となっていました。常識の通じない住民たちに翻弄されつつもプランピックは奔走します。

 

f:id:kinyounoyoru:20200330232843j:plain

 古い映画と侮るなかれ。映像の美しさ、ユーモア、音楽がアーティスティックな作品です。精神患者と聞くと近寄りがたい作品に思えてしまいますが、この作品ではそんなことは全くありません。病院を抜け出した患者たちは思い思いの服に身を包みます。貴族、床屋、神父、娼婦、将軍、時代錯誤の兵隊と、第一次世界大戦の背景とは思えない姿で町を闊歩します。町の外から様子をうかがう兵隊たちはその光景に戸惑うばかり。きっと不思議の国のアリスになった心持でしょう。

 しかし、そんなおかしな住民たちですが、彼らの言葉は時に冷静で、現実の戦争こそが異常だと揶揄しています。そして戦争のありさまに、狂っているはずの住民たちは興ざめするのです。

 戦争の恐ろしさを前面に出しているわけではなく比較的観やすい映画なので、いろんな方に手を取ってもらいたい作品です。

 

【映画のおとも】

 フランスの小さな町を舞台にで繰り広げられる作品は、美しい町並みや自然が映し出されます。そこでおすすめはメゾン・パピヨンの鴨とオレンジのテリーヌ鴨とオレンジの酸味・甘味がほどよく混ざり合ったテリーヌです。

海外有機認証 カモとオレンジのテリーヌ(オーガニックテリーヌ)フランス産 パテ[130g]【常温便】

価格:1,580円
(2020/4/1 23:12時点)

 

 あとはお手頃なワインも用意。カオール[2009] シャトー・キャトルがおすすめです。カオールのワインは赤ワインなのに色が濃く、黒ワインといわれるほど。力強く濃厚で、鴨肉にピッタリです。

カオール [2009] シャトー・キャトル <赤> <ワイン/フランス南西部>

価格:1,309円
(2020/4/2 23:10時点)

 

 仕事帰りにスーパーで市販のフランスパンを買って、つまむのに丁度よい大きさに切ったら、あとはテリーヌをのせてワインをグラスに注ぐだけ。美味しく楽しく映画を楽しみましょう♪