『マスク・オブ・ゾロ』 ~顔を隠した二人の民衆のヒーロー~
『マスク・オブ・ゾロ』
マスク・オブ・ゾロ【Blu-ray】 [ アントニオ・バンデラス ]
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【あらすじ】
1821年スペイン領にあったアルタ・カリフォルニア。スペイン貴族のディエゴ・デラ・ベガは黒いマスクで素顔を隠し、スペインの支配に苦しむ民衆を助けるために戦っていました。しかし、領地を支配していた総督ラファエル・モンテロに正体を気付かれ、妻を殺され、愛娘エレナを奪われ、邸宅を焼かれ、牢獄に入れられてしまいます。
それから20年後。囚われていたディエゴは隙を見て脱獄。宿敵ラファエルを討とうと様子を伺いますが、その傍らに娘エレナの姿を見つけ、呆然とします。機を逃してしまったディエゴですが、とある縁で酒屋で酔いつぶれていた盗賊アレハンドロに特訓をつけることとなります。兄を軍人ハリソン・ラブに殺され、怒りと悲しみで自暴自棄になっていたアレハンドロでしたが、ディエゴの手で次代のゾロへと鍛え上げられます。そして民衆をラファエルから救うため、アレハンドロはマスクで顔を隠し暗躍します。
キンヨーが子どもの頃に憧れていた正義のヒーローがまさにゾロ。正体をマスクで隠して苦しむ民衆を助けるという、こてこての勧善懲悪アクション映画。成長したアレハンドロの剣さばきで、敵を蹴散らす姿はスッとします。何より黒いマスクが子どもの目にはクールで格好よく映っていました。
さて、そんな子供の頃に観た映画を久しぶりに鑑賞。アレハンドロのゾロは相変わらず格好いいし、ニカッと笑った時の笑顔も愛嬌があって相変わらず魅力的です。
けれども年を取った老剣士ディエゴの渋さがまたいいんですよ。品があり、紳士的。立ち振る舞いがダンディ。さすが、初代ゾロ。大人の余裕があり、成長途中でまだまだ不安定なアレハンドロを静かに厳格に導きます。渋い…!
さらに良いところは、単にディエゴが完璧な民衆のヒーローではないところ。ラブへの強い怒りを鎮めさせ、アレハンドロに民衆のヒーロー・ゾロとして振舞うことを説いたにもかかわらず、ディエゴ自身も復讐心を抱えているのです。ディエゴの娘、エレナは憎き相手ラファエロに実の娘として育てられ、真実を知りません。20年会えず、自分が本当の父親だと打ち明けられない悲しさ。
ヒーローではなく、一人の父親として娘を取り戻すことを優先しようとするディエゴにアレハンドロは叱咤します。完璧ではなく、苦悩を抱える人間らしいヒーローの姿と、互いに成長しあう師弟関係、相棒感がぐっときます。
【映画のおとも】
カリフォルニアの赤ワイン ナーリー・ヘッド カベルネ・ソーヴィニヨン。
こういうアクション映画を観ると、軽いものより、ガツンとした肉料理が食べたくなります。牛モモ肉のステーキに塩コショウで味付けしたステーキに、オリーブオイルと胡椒で味付けしたジャガイモのローストを添えた、シンプルな肉料理。
そんながっつり系に合わせるのにぴったりな赤ワインがこのナーリー・ヘッド カベルネ・ソーヴィニヨンです。スパイシーで、骨太なタンニンがワイルドな肉料理にピッタリ。カリフォルニアのいわゆる新世界ワイン。コスパもいいので家飲みにGOODです。
価格:1,799円 |
ユーモア、コメディ感もあって、話のテンポもいいので見終わった後の爽快感があります。嫌なニュースが多い今、報われないことや理不尽なこともありますが、正義のヒーローの活躍で明るい気分になれるはず。